これからのTOYOTA(グループ含)への期待

― 「人と車の理想的調和」の追求と企業の社会的責任の在り方 ―

     青山 未来

    (ASPEL 生産工学研究所)

TOYOTAがない日本の産業界を思い浮かべても、その具体的な姿を想像することがよくできません。自動車産業の1社としての存在とも言えますが、今、日本のみならず世界の企業の1つとしての持続的成長をしながらも地位は固まりつつもあると思われます。確かに自動車産業も国内外でメーカー間の競争の激しい環境には変りありません。

今のTOYOTAが成長するプロセスは具体的、詳細によく解りませんが、過去には多くの課題や困難があったとも代表から聞いております。しかし、私は今、TOYOTAは国内外の競合他社(車)に余りとらわれる必要もなくなってきており、独自の「人と車を通じた理想的な在り方」を追求することを期待したいと思います。
 製品だけではなく企業(経営)、人まで幅広い在り方や取り組みを含めたものです。ここからは私の一方的な希望(ユメ)ですが自動車産業以外にも私にはTOYOTA独自の考え方や施策をもう少し新事業開発に活かしてほしいことが以下にあります。

(1)トヨタホームに太陽光発電機能をもつ安価な瓦みたいなものを使用し家庭用
 エネルギーの一部をまかなえないか、瓦にとどまらず、いわゆる太陽光を
 はじめいろいろな発電ができる建築部材の開発です。いわゆる「発電する
 家づくり」みたいなものです。

(2)次にそのシステム,産業構造まで含めた「食・・・・・特に農業」の在り方の
 実証です。農家という生産者個々が持つノウハウ(固有技術技能)を活か
 しつつ「消費者中心のあるべき姿」を証明することです。食品の「品質、
 コスト、安定供給等々」取り組むべき課題も多いでしょう、これまでの
 生産,農家が主役になり、開発から食品を加工供給販売までの全てのプロ
 セスについて、自ら行い1つの産業として一貫生産をめざす中にそれに
 魅力を感じて取り組んでくれる将来を担う若者達が参加し、やがて主役に
 なる新しい産業構造の構築です。
広い意味では農業も「ものづくり」の分
 野です。シンプルで中間搾取のない民営企業として競走原理の中にあって
 ほしいと思います。
「販売価格が今の半分」で、そして「安心して食べら
 れる新鮮な食 品」を供給することは、クリアしなければならない目標だ
 と思います。
食の安定は、社会保障や健全な生活に欠かせません。後継者
 がいなく耕作放棄する人たち、また、そのために荒れる土地など、将来に
 とって大きな課題です。
日本としてバランスの良い産業構造の在り方の必
 要性を痛感しております。

(3)残り1つは環境とエネルギーに関する取り組みです。
   地球温暖化、化石燃料や原発に頼る電力政策などへの対応として
  自動車も含め、これからどう対応するかです。
 
太陽光、風力も必要ですが、あらゆるモノとエネルギーについて人の将来
 にとってあるべき姿を追求することです。
自動車も水素エネルギーで走る
 ことができるようにな りましたが、このエネルギーをもっと広い分野ま
 でアプリケーションするための技術開発です。その意味で水素エネルギー
 を使った自動車には広い意味で未知の魅力を感じます。

(4)最後に自動車はもう進んでいるでしょうけれども 常に
  「
Super Lexus」 ,Super Toyota
 
の車開発です。これは私の様な小さな人間が言うことでありませんので 
 これまでとします。
世界のLeading companyとして、これからも深く、
 広く課題に取り込むことで企業としての社会的貢献を心から期待しており
 ます。
                            (以上)

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